こびとのかじ屋

 

わたしの胸の中には こびとがたくさん住んでいて

毎日一生懸命 働いています

 

こびとの村のはずれに 年老いたひとりのかじ屋が

鉄を溶かし鉄を叩き 暮らしています

 

働け働け 胸の中のこびと

わたしの見たもの、触れたものを炉にくべて

 

 

かじ屋さん、なるだけ丈夫なハンマーをひとつ下さいな

口の中の大きな岩を砕き割りたいから

 

砕き割って、粉にして、ごくりごくりと飲み込んで

重くなって、軽くなって、わたしは進める気がするの

 

だから働け働け 胸の中のこびと

地球の裏側へ近道を教えて

 

 

その次なるだけ薄い刃のナイフをつくってくださいな

輪郭をなぞりそこねても 血が出ないくらいの

 

爪を切って、指も切って、さくりさくりと刈り込んで

山になって骨になって、わたしは目覚める気がするの

 

指を切って耳も切って、空に投げれば鳥が来て

熱くなって、堅くなって、わたしは眠れる気がするの

 

だから働け働け 胸の中のこびと

働け働け 胸の中のこびと

働け働け・・・