Heart OFF

 

僕が古本屋になろうと思ったのは

あなたがサヨナラも言わずに消えちゃった日

 

あなたのいないこの世界で生きていかなくちゃいけなくて

森羅万象神社仏閣、僕にこたえを・・・と。

 

どうせ、みんな

どうせ、いつか

こわれて消えてゆくんだし。

・・・なんて僕の口から言えないけど

「ほら、ここに書いてある」って言えば簡単だろう

 

ここの何千万もの頁は僕を押しつぶすかもしれないし

誰かを包みうるかもしれない

ここは WOO・・・ 本の森

 

 

僕が古本屋になって感じたのは

時の流れにも匂いがあること

 

ミステリーよりも複雑な伏線の敷かれた道を

僕らは時折むせ込みながら歩いているんだ

 

どうせ、みんな

どうせ、いつか

古びて朽ちてゆくのなら、

ひとつでも僕の手の中で

それならお互いに本望な気がしたんだ

 

ここの何憶万もの言葉はアナタには届かないだろうけど

誰かをあたためるかもしれない

ここは WOO・・・

たったひとつの出来事が僕を押しつぶすかもしれないし

また立ち上がれるかもしれない

ここは WOO・・・ 本の森